八十四歳。英語、イギリス、ひとり旅    清川 妙(著)   小学館 (2006/03)  

                                                 旅の目次へ
                                                 
何とまあ、歳にもめげず、もの怖じせずに、前向きに, 2009/2/9

何とまあ、歳にもめげず、もの怖じせずに、何ごとにも前向きに進むことよ!

この著者は、万葉集、枕草子など、古典を扱った評論やたくさんのエッセイをものしてこられた方です。この書評を書いている時、88歳でエッセイなどを精力的に書いておられます。

53歳の時、取材で初めての海外旅行をしたところ、英語がうまく使えなかった、そのことから英語会話の勉強に取り組みます。それから10年余、イギリスひとり旅が始まりました。イギリス人の英語の先生とのお付き合いから、「よし、この英語を、先生の故国、イギリスで試してみたい」と思い立ったのでした。

旅で出会った生物の先生、ホテルの支配人、タクシーの運転手などと仲良くなり、再訪を繰り返すなかで、人と人とのつながり、異国の自然が醸す風土、歴史などに接しつつ、ついに13回のイギリスひとり旅を重ね84歳に至りました。

この本では、これだけのひとり旅を続けていれば多少はあるであろうアクシデントや失敗についてはほとんど全く描かれません。しかし、多分、著者は、だいじなことはそれらをどう克服するかということより、異国の人たちと真心をもって接してゆけばとても大きなものを得ることができるということを示したかったのだろうと思います。「望みを叶えたいと思い立ったらすぐにスタートしよう、そして、あきらめず、粘り強く楽しみながら望みを育てよう。その中で確実に自分も育っていく」と書いておられます。



旅の目次へ
図書室の玄関へ
トップページへ