アフリカの「小さな国」―コートジヴォワールで暮らした12カ月  集英社 (2002/03)  新書  大林 公子(著)

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途上国の今と未来をまじめに考えてみよう, 2002/12/1

アフリカの人々の日常生活について、私たち日本人はどれほど見聞しているであろうか?コートジヴォワールの実質の首都アビジャンに滞在中のほとんどは日常的なできごと(クーデターだけは希有なことだが)をたどりつつ、私たち日本人の日常生活や考え方等々をひとりでに見直させられてしまう本。

 話の展開は、プロのルポ作家にかなわないのは仕方ないとしても、それがかえってこの本の内容には合っている。難しいことは節の終わりなどに注としてまとめてあるので、飛ばすこともできるし、しっかり勉強することもできる。読みやすい本です。

 海外観光ツアーでカルチャーショックを受けて帰ってくるのも良いけれど、それは多くは上っ面。皮を剥いて、人々の生活ぶり、仕事ぶり、価値観や自然観などを知ることが本当はもっと大事なこと。先進国とは、ある意味では衰退途上国であって、世界の未来は発展途上国にこそある。私たちは、おのれの未来、自分たちの子どもや孫の時代のためにも、途上国、とりわけ発展途上国の今をよく見て、未来をまじめにゆっくり考えてみよう。

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