「資本論」の弁証法・・・弁証法で読み解く「資本論」の神髄  一粒の麦社(2006/9)   高村 是懿(著) 広島県労働者学習協議会(編)
                                                新しい社会の目次へ


「資本論」に弁証法の光を照射して理解を深めよう,  2010/5/8

「資本論」を読み始めても途中で挫折する人は多いのですが、その原因のひとつに、資本論の論理展開をつかみきれないことがあると考えられます。マルクスは、資本論を研究するにあたってのみならず、叙述するにあたっても弁証法的方法を実践したと記しています。ですから、その方法を理解するとしないとでは、資本論の理解の程度も異なるでありましょう。

本書は、資本論全3巻の弁証法的論理展開を追いながら、資本主義的生産様式の生成、発展、消滅の運動法則を理解しようとします。そして、何よりも、本書を読み進める内に、資本主義的生産様式の理解を深めるだけでなく、読み進める作業を通じて弁証法を正しく血肉化することを試み、もって激動を予感させる21世紀を新しい社会にむけ切り開く力にしようとしています。

本書は、労働者向け講座の講義録をもとにしていますので、比較的分かりやすい書き方になっています。しかし、A5版で450頁余の分厚い本であるとはいえ、「資本論」の記述内容を正確に跡づけるには限度があります。ですから、理想的には、一度原文を読んでから、その内容を順次おさらいしつつ本書を読むと良いと思います。資本論の「篇」ごとに本書をひもといて、弁証法を意識しながら原本の理解を深めるような読み方も良いかも知れません。

「資本論」に弁証法の光を照射しつつその内容を身につけようとするユニークな本だといえましょう。

新しい社会の目次へ
図書室の玄関へ
トップページへ