ヘーゲル「小論理学」を読む〈2〉    

       高村 是懿 (著)、 広島県労働者学習協議会 (編)   一粒の麦社 (2009/9)

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準備終了、さあ、これからヘーゲルの世界の真っ只中だ  2010/4/6

第2分冊は、ヘーゲル「小論理学」全244節の内37節から83節が扱われます。原書の「予備概念」より「B.客観に対する思想の第2の態度」として、経験論批判、カント批判が展開されます。カントに関しては、「純粋理性批判」を中心に「実践理性批判」「判断力批判」が俎上に上げられます。続いて、「C.客観に対する思想の第3の態度」として、ドイツの哲学者ヤーコビ批判も行われます。これら批判的検討を通じて、ヘーゲルは弁証法の立場からそれぞれの批判対象哲学の長短両面を明らかにし、じわりじわりと弁証法の理解を進められるように準備します。予備概念と「予備」を使う所以です。

そして「予備概念」最後の章「論理学のより立ち入った概念と区分」から、いよいよヘーゲルの弁証法の具体的中身に徐々に入っていきます。しかし、第2分冊はそこでまでで、第3分冊に期待を抱かせて終わることとなります。

第1、2分冊まで読んで感じたことですが、ひょっとすると、全4分冊を、少なくとも2回読む必要があって、第1回目は全体の流れをつかむような読み方をする、そして、第2回目に徹底的に精読するのが理想かもしれません。

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