イブン・バットゥータの世界大旅行―14世紀イスラームの時空を生きる   平凡社 (2003/10)新書  家島 彦一(著)

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原本を読了して「大旅行記」をたどる旅に行きたい, 2004/5/29

東洋文庫「大旅行記」(全8巻)が完成したのを機に著されたそれへの入門書。これを読んで、原本を、近い将来、まとまった時間を取って是非読んでみたいと思いました。この時代以前から近代に至る長い間、イスラム世界が人類の歴史において意義ある役割を果たしたことを現代においてしっかり理解しておくことは不可欠だと思うからです。また、アジアやアフリカがその時代、決して野蛮とは言えない文明をも展開していたことを具体的に知っておきたいと思うからです。

 長大浩瀚な著書は、いきなり原本に取り付いて挫折するより、最初に概要なり背景なり、現代における意義なりを示してもらった上で読むほうがその高い峰に立ちやすい、ということはしばしば経験することです。何よりも、その本を読む価値があるかどうかを判断する情報を厳選しつつ示してくれる入門書はありがたいものです。その意味では、地味な本ですが、良くできていると思います。とりわけ、著者が、ほとんどの地を再訪しているところはすごい。私は、家島先生と「大旅行記」をたどる旅、などというツアー(多分、数回に分けてやることになるでしょう)があったら是非行きたい、と思ったものでした。もちろんその前に原本を読了して。

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