ジャンヌダルクはどこだ?

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ある病院で、医療費を請求されて払えない患者が何百人もいると聞きました。ある派遣労働者は、派遣会社が間に何件も入って中間手数料を取られるので、そうでない時に比べ手取りが年間3百万円も減っていると言っておりました。これらに類した話は、最近、急増しています。いわゆる規制緩和の結果、最近増えてきた出来事です。

サッカーで、手を使ったらしばしば罰としてイエローカードをもらいます。あまりに酷いとレッドカードです。小泉内閣時に急激に広まった規制緩和策は、サッカーで手を使ってはいけない、という最も大事なルールを改め手が使えるようにしたようなものだと思います。規制緩和の多くはルール外しです。

経済を活性化して国際競争に勝ち抜き豊かな生活を保証するためという錦の御旗のもとでそれらは進められたのです。そして、豊かな生活は、ごく一部の「勝ち組」といわれる人にだけ人一倍保証され、多くの民衆には苦しみが押しつけられたのです。

最近の状況は、まるで革命前夜です。しかし、そんな様子はほとんどうかがえません。自民党は参院選で大敗しても総理大臣を出し続けます。テレビなどいわゆるメディアは、自民党の総裁選挙を、国民に選挙権などないところで、レコード大賞が誰に決まるか、とでもいうように派手に流しています。次の総選挙もあまり違いのなさそうな二大政党なるもので政権を競っても、この酷い閉塞感を払拭できるのでしょうか?ちょっと違うんじゃない、と思うのです。

今、何をなすべきか?オオサマハハダカダ、と誰が言うのだ?ほんものの社会主義があるのなら出てこい。ジャンヌダルクはどこだ?・・・そんな気のする昨日今日です。

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