時速15キロの旅―もっとスローに!ヨーロッパ自転車道中記  東京書籍 (2003/12)  須山 実(著)

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整備された自転車専用道をゆっくりたどる自転車の旅,
2005/6/17

南ドイツとオーストリアはザルツカンマーグートのよく整備された自転車道路をゆっくりたどる熟年夫婦の自転車旅。毎年1回ずつ3年にわたる経験。ずっと前にドイツをめぐった時に、バスの窓から見た親子連れのサイクリストが輝いて見え、うらやましかったが、今度は、この本のご夫婦がとてもうらやましく思えた。私も同世代だが、体力的に問題がなかったというところが最大の驚き。

風景は、ドイツもオーストリアも確かに美しいけれど、その半分は目新しさ。私は、風景は日本とて負けず劣らず美しいところが多い、と思う。しかし、日本と違うのは、とてつもなく良く整備された自転車専用道路、そしてホテルや電車や人々の、サイクリングを受け入れる素地。これらは、日本が背伸びしても届かない、ほとんど文化の違い。改めて驚かざるを得ない。

この本、ほとんど日誌。あったことを淡々と描く。一日の走行キロ数、見どころ、泊まったホテルの値段、展望台や教会など訪れた施設とその特徴、スーパーで買ったソーセージ、ドイツパン、ワインなどをパジャマ姿でくつろいで食す夕飯、・・・。風景に綺麗だと感激しても、どのように綺麗なのかはあまり具体的には描かない。何よりも経験と情報を伝えてくれる叙述。写真はない。ガイドブックの紹介も詳しい。これらを参考にみなさんも是非やってみて下さいと訴えていて、結構その気にさせられる。

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