人生の素晴らしい店じまい  松野 宗純著 アートデイズ (2006/05)

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人生、いっとき一時の生を大切に生きるべし, 2006/6/10

若い方の中には、この本の題名を見てドキッとされる方がいらっしゃるかも知れません。でもここまでいらしたら是非読んでみてください。人間もある年代に達するとこれが現実的な問題になってきます。

著者は、この問題にどう対応してきたか。まず、55歳から75歳以上まで、5年宛の5段階に分けます。5段階とは、お釈迦様時代の人生の分け方にならって前林住期、林住期1・2・3、遊行期です。各期における考え方と実践経験を私たちに示してくれます。遊行期が悠々と人生を独り楽しむ人生最後の時期で、前の4期は遊行期の準備期間なのだそうです。著者は、それぞれの時期をどう過ごして来て、現在、遊行期をどう過ごしているか、を語ってくれます。

通読して何よりも、人生、いっとき一時の生を大切に生きるべし、と思い知らされる本でした。

著者は実業界で指導的立場におられた方。書かれるところには、長い苦しい修行(と評者には思えるのですが)のあとでも、やはりビジネスマンの匂いは濃厚に残っています。それは、きっと抜けることがないのではないか、と思うのです。そして次には、修行のあとで、実業界がどう見えるのか、語ってほしいと思いました。


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