終わりなき旅―「中国残留孤児」の歴史と現在  
 井出孫六(著) 岩波現代文庫
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蒼氓の終わりなき旅となって・・・,
2005/5/21

井出さんは長野県出身。長野県からは「満洲開拓」にどの県よりも多くの人々が送り出されました。大日向村、泰阜村等々、長野県下の村から人々はどのようにして送り出され、暮らし、終戦を迎え、多くの人が野に倒れ、またどのように生きて留まることになったか。井出さんは幾組かの家族を描きます。開拓団長さんの苦悩をもたどります。日本に戻ってからの厳しい現実を追います。それらはまさに蒼氓の終わりなき旅となって・・・。

なお、単行本に比べ現代文庫版では「あとがきに代えて」、その後の賠償請求訴訟にまつわる現状が執筆の経緯とともに加えられています。

これらが歴史に刻まれることとなったメカニズムが、ドキュメンタリに織り込まれつつ解明されますが、具体的で分かりやすいです。

この記憶を語り継ぎ、日本に戻った人々が幸せをつかむべきことは、現代と未来を生きる日本人にとって大切なことと思われます。それらを考えるためのスタンダードで高質な文献の一つです。

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