プラム・クリークの土手で 福音館書店 (1973/02)  ローラ・インガルス・ワイルダー(著)、恩地三保子(訳)、ガース・ウィリアムズ(画)

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子供時代の成長環境としては理想的かも,
2007/1/21

再び長旅の後、北中部のミネソタに戻ってきた。住んだところが、川の堤防に刳(く)られた穴のような家、これが面白い。土手に扉と窓が開いていたり、牛が天井を踏み抜いたり・・・。プラム川が、美しい流れを見せたり、時には暴れて危険な目に遭わせたり、ローラたちの生活に変化を与える。しかし、結局、父さんは地上に家を建て、開墾を進め牧畜や畑作を始める。

何よりの驚きは、バッタの大群の突然の襲来。また一斉に飛び立ってはいっても小麦は全滅。吹雪では、父さんが閉じこめられ何日も帰ってこない。これらのリアルな描写は経験者にしか書けないだろう。

そうした日々を通じて、ローラは、自然の美しさ、奥の深さ、恐ろしさなどを知り、農業の姿をも知り、学校、パーティー、教会などで近所付合いも経験してゆく。子供時代の成長環境としては、ある意味、理想的といえそう。今の日本では、ほとんど望むべくもない。


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