エドガー・アラン・ポーの復讐   村山 淳彦 (著) 未来社 2014/11/17

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ポーの顔と心 , 2014/11/20

大学時代のサークルの後輩である著者よりこの本が送られてきました。早速読んでみて、その感想を著者に送りました。そこで、取りいそぎ、そのおもなところをレビューとして掲げることとします。

その前に、目次を示します:

まえがき-ポーと一人称
売文家の才気と慚愧
「アッシャー家」脱出から回帰へ
「群集の人」が犯す罪とは何か
黒猫と天邪鬼
「盗まれた手紙」の剰余
「メロンタ・タウタ」の政治思想
ポー最後の復讐
付論 ポーとドライザー
 ポーの墓 ドライザーはポーの徒弟? 末期の宇宙論作家

この度は、「エドガー・アラン・ポーの復讐」をご恵贈いただきありがとうございました。早速拝読させて頂きました。が、残念ながら、ポーの作品は 余りにもわずかしか目を通しておらず、ドライザーに至っては全く読んでいませんので、論理をたどるだけで精一杯、そこで、御説の何分の一しか理解 できていないのではないかといった感じです。

しかし、まずは、貴兄のポーとの出会いからはじまって、その後の先輩やお仲間との交流などを、やや長い「まえがき」で披露し、本論では、単独で発 表されたポーに関する諸説などを上手く配し、最後にドライザーとポーとの関係を明かして締める、その流れは、まとまったポー論になっている、その 構成に、僭越ながら感心させられました。復讐、天邪鬼、ドッペルゲンガー、スノッブなど、全体に配されているいくつかのキーワードも、骨組みを解 り易くさせてくれています。おかげで、それらの回りに配される、小生にとって有名無名の作家や評論家などとポーとの関係も結構面白く読めました。

最初のほうで、ヴァレリーがでてきますが、ちょうど少し前、ヴァレリーが「レオナルド・ダ・ヴィンチの方法」を書く前提としての科学的思考を身に つけるにあたって、ユイスマンス、マラルメとともにポーの研究が大きく寄与している、などというピエール・カミナードの文章に接していたので、そ の輪郭を想像する情報を与えてくれることにもなりました。

また、プルーストなどを読んでいるとスノッブがでてきますが、「売文家の才気と慚愧」を読んだ余得として、その意味合いがまとめて理解できまし た。これは、ありがたかったです。

取り上げておいでの主要作品くらいは実際に読んでみて、その後、再度、本書を読むならば、もっと理解が出来て面白く読めることだろうと思っている ところです。

本書の本質的なところは、おこがましくて書くに至りませんが、自分なりにいろいろ考えさせられるところがあり、少し賢くなったかなという気がしま す。重ねてお礼申し上げます。

寒さが早くやってきているようです。温暖化を中心とした気候変動は、酷暑だけでなく酷寒をももたらし通年的な異常気象を引きおこしています。お互 い、風邪などにも気をつけて過ごすこととしましょう。ご健勝を祈ります。

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