怪人と少年探偵 (江戸川乱歩全集 第23巻、光文社文庫)  江戸川乱歩(著)  光文社 (2004/9/10)

                                                 その他の目次へ
本巻所収の探偵小説のトリック解説は出色, 2011/11/10

本巻には、「おれは二十面相だ」「怪人と少年探偵」「妖星人R」「超人ニコラ」の4作品と「探偵小説の『謎』」と題するエッセイ、「類別トリック集成」「江戸川乱歩随筆評論集 目録」が収められています。全集なので、その他に「解題」「注釈」「解説」もあります。さらに、花村萬月による「私と乱歩 毒−密かな」というエッセイがついています。

今回、あることのために本巻の「探偵小説の謎」を調べてみたのですが、ついでに、本巻4作品も読んでしまいました。やはり、読み出すととまらないという乱歩作品、子どもの頃の乱歩の読書を繰り返すひとときとなりました。

ところで、「探偵小説の謎」は、内外の探偵小説を渉猟し、そのトリックを分類整理し解説を加えたという興味深いエッセイです。このトリック解説は私のような探偵小説の初心者には有益です。しかし、16項目に分けて書かれたうち、数項目が「本全集第○巻『○○』所収につき省略」などとされ、それぞれ○巻を参照しなければなりません。それは、やむをえないかとも思うのですが不便なことも確かです。なお、「類別トリック集成」は、トリックを類別して一覧できるようになっていて世に数多あるトリック(作例821が分類されています)を俯瞰するのに便利です。

その他の目次へ
図書室の玄関へ
トップページへ