ロシア革命史(3)    岩波文庫(2000/11)   トロツキー(著) 藤井一行(訳)
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2月革命から10月革命へのめまぐるしい動き,  2009/4/20

1917年2月革命は、ツァーリを権力の座から引きずり下ろしたとはいえ、同時に国民各階層の間で勢力争いが展開し臨時政府はその構成をめまぐるしく変えて行く。その中で、自然発生的な兵士、労働者の反政府武装デモ(7月事件:7月3日、50万人参加)を期に、ボリシェビキに対する弾圧が激化する。

「しかし、それは決定的な打撃ではなかった。犠牲者の数は数十人であって数万人ではなかった。労働者階級は、指導部も奪われず、骨抜きにもされずに試練を脱した。労働者階級は自分たちの戦闘的幹部を完全に保全し、それらの幹部は多くのことを学んだ」(p.159)のであった。

ケーレンスキー、コルニーロフなどの思惑、権力争い、権謀術数などの渦巻く中で、民衆は誰が真の味方かを見極めはじめ、ボリシェビキへの支持は確実に大きくなり、時の歩みは10月革命に向けて動いて行くのであった。

著者トロツキーは、それらの渦中にいただけに、描写は細密をきわめる。個々の場面の語るところを、我々現代人は、十分な情報を持ち合わせないだけに、必ずしも正確に理解できるとは限らないが、個々の場面に拘泥しすぎず時の流れを把握することに努めるならば、10月革命に向けた民衆の歩みと臨時政府をはじめとする権力周辺の崩壊への必然的流れとをドラマチックにとらえることが出来る。

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