世界の旅行記101  新書館 (1999/09)  樺山紘一(編)

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旅が好きな読書子に, 2005/4/30

読書と旅が好きな者にとって、旅行記は興味この上なく深い。しかし、世の中には旅行記なる書物は山のように存在する。その中からその時の関心の在処に応じて何か良いものを探し出そうとする時、手引きとなる情報があると助かる。旅に出る時、ガイドブックとは別にその地をめぐった先輩の書き物に教えを請おうとする時、適切な本を探索する手引きとなる情報があると助かる。また、仕事を終えた夜のつれづれに、何か旅の本に想いをいたそうとした時に、そんな本の梗概を記した手軽な本があると愉しい。

私は、数年来、この本をそんな風に使ってきた。先日、タヒチを訪ねるにあたっては、モームやゴーギャンの作品などとともに、ブーガンヴィル、クック、ダーウィンという探検の時代の旅行記の関係部分に目を通した。その時、この本が彼らの旅行記を私に推薦してくれた。そして、私のタヒチ旅行はいっそう内容豊かになった。

この本には、紀元前から現代までの代表的旅行記が外国から日本まで101件、原則2頁で、時に地図や写真を付けて紹介されている。各文末には、入手可能翻訳本を記している。関連年表、索引もやや詳しい。目次は、書名のみ、著者・解題者付書名、執筆年代順書名という3種が付されている。ハンドブックとして工夫次第で利用勝手は拡がる。

旅が好きな読書子には常備して価値のある本であろう。理想を言えば、併せて、古今東西の旅行記・紀行文を網羅したリストを別に座右におけば、精粗あわせて情報が得られて良いのだが・・・


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