素晴らしき自転車の旅―サイクルツーリングのすすめ  平凡社 (2004/05)  新書  白鳥 和也(著)

                                                 自転車の目次へ

20年ぶりに自転車復活を決心しました,
2005/5/21

この本を読んで、自分も自転車に乗ってみようかな、と思う人が多いと思います。私も、20年ぶりに自転車を復活させる決心をし、先ほど、ランドナーと付属品を注文してきました。

で、この本、アナログ的な書きぶりであって、マニュアル的でもカタログ的でもありません。すなわち、自転車に乗る時のノウハウをおもに自分の体験を中心にけっこうたくさん紹介してくれますが、運転の仕方などを体系的に整理して書いていなくて、マニュアル的ではありません。各社から売り出されている車種やグッズを表示してなどいないので、カタログ的ではありません。個々の機材を細かに解説するよりも、自転車に乗る楽しさ、特に長短の旅をする心を説くことが多く、いわば自転車哲学を開陳するところに特色があります。要するにデジタル的=理科系ではなくアナログ的=文化系なのです。本文中の自己紹介的な叙述部分と略歴を見てそれを納得しました。

ついでに、静岡の人なんです、謙虚なんです。例えば、自転車に乗ってると他人(ひと)に感謝することが多いのだけれど(と書くことからして謙虚なんですね)、それは、こちらが下手(したて)に出ていることと世間では理解されがちなのだけれど、実は、こちらが精神的には上位におかれることになるのだ、と大変大事なところに気が付いていると思うのだけれど、「と教えられた」と書くところにいっそう謙虚さが現れています。その心は、実社会では損することはあれ得することはあまりないのですが、自転車に乗る(平和な世)には悪くないのです。静岡には、そんな人種が多いのです。静岡生まれの私が県外に長く暮らして云うのですから、これはかなり確かなことです。

自転車の目次へ
図書室の玄関へ
トップページへ