太平洋―開かれた海の歴史  集英社 (2004/12)  増田 義郎(著)

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グアムやハワイのリゾートの彼方に, 2004/12/22

私たちはグアム、サイパンやハワイのリゾートに行った時、そこからさらに南に散らばる島々に太平洋戦争や水爆実験の歴史をチラリと思うことがあっても、そこに住む人々の来し方や西洋との関係などはほとんど知らない、といっても過言ではない。この本は、そんな私たちの無知に対しきわめて新鮮で衝撃的な刺激を与えてくれる。太平洋の島々の人たちの祖先は、ヘイエルダールの「コン・ティキ号探検記」が想定した南米人とより日本人との関係の方が深いこと、限りなく天国に近いと言われる珊瑚礁の海が、ラス・カサスの「インディアスの破壊についての簡潔な報告」を想わせる歴史を沈潜させていること等々、学校の歴史の教科書には書かれていなかったことが次々と紹介される。もっと詳しく知りたくなるようなことがいっぱい詰まった太平洋学序説。

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