PHSからFOMAへ・・・パソコンのモバイル環境の引っ越し

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旅行や外出先でも、パソコンでインターネットやメールなどを使えるように、パソコンの、いわゆるモバイル化をしてきていた。5年ほど前から軽量のノートパソコンにDoCoMoのカードタイプのPHS端末を差し込んで使っていた。充電して使える時間もこのパソコンの場合、5時間近くもあるので、旅先でほとんど不自由することなく、自宅でもワイヤレスで使えて快適であった。

通信速度は64kbpsとあまり早くないが、そんなに急ぐこともないと思えば、不自由と感じずに使用できた。難点は、PHSの電波が届かない場所でのことは論外として、高速走行中の電車の中で使えなくなることであった。トップスピードになったときの在来線電車や動き出した新幹線では使えなくなった。しかし、比較的安い定額制(5131円/月)で使い放題というのがありがたかった。

去年の早い内から予告されていたことではあるが、先日(2008年1月7日)、DoCoMoのPHSサービスが終了してしまった。さてどうしようか、と思案の時期が去年の内からしばらく続いた。思案は、PHS専門のWILLCOMに乗り換えるか、DoCoMoの従量制に乗り換えるか、などから始まり、最初はWILLCOMの定額制と割引サービスを併用するとお得な感じだったのだが、そうこうするうちに両社が、小出しにいろいろなサービス提供を発表(時にはコッソリ実施)しては、PHS利用者を自社へ確保しようと工夫を凝らすようになった。これは、急ぐことなくて、ぎりぎりまで待つのが賢明かと引き延ばしていたら、結局、DoCoMoが、WILLCOMより低額の定額制(4200円/月)の料金プランを出し、PHSからの移行の場合、端末機代金と手数料などを無料とするというサービスも出て、大体、これにきまりということになった。通信速度は64kbpsであるが、これは以前のものと同じである。

ところが、うまいことばかりでないのがこの手の話の常のようで、いろいろ具体的に聞いてみると、不具合が見えてきた。まずは、端末機が、カード型だとパソコンに埋め込みになってほとんど邪魔にならないのだが、カード型の良いのがない。これはどうかと良さそうなのを聞いてみると64kbpsの低額プランには使用不可、と言われてしまった。USB接続でパソコンに差し込むタイプは、端末がびよ〜んと出っ張ってしまうので、モバイルとしては使い勝手が悪い。しかし、延長ケーブルがあるということなので、それで繋ぎ、邪魔になるのを何とか回避することにした。FOMA A2502というモデルがそれである。64k定額制には高速通信機能がもったいないのだが、それには目をつぶるとしても、いろいろ制限があるという。それを聞いてみると実用的には自分が考えている利用範囲ではまず問題にならないように思えた。そこで結局、これにしよう、と決心した。

ドコモ・ショップのお兄さんがインストールなどのサービスもやってくれて大変ありがたい。ニコニコ顔で家に帰ってきて、おもむろに使い始める。ホームページに新しい書き込みをして転送しようとしたら、これができない。ハッと気がつく。ホームページのサーバーに下書きを送るのにFTP送信という機能を使うのだが、そういえば、FTP送信不可、とカタログか何かに書いてあった。それを目にしたときに気になったのだが、確認せずにそのうち忘れてしまった。しまった、と思って改めて電話で確認してみるとそのとおり、使えない。「ご要望があったことは承ります」と担当者は言う(注)。う〜ん、とうなり始めて、ハタと思いついた、この間まで使っていたPHS端末がゴミ同然になってしまったのだが、これに携帯電話と接続するポートがあって、以前から、高速電車内でどうしても仕事をしたいときなどに使っていた。これも、低額の定額料金(550円/月)のものである。こいつが使える、ゴミ同然と思っていたのが俄然輝きだした。ホームページのサーバーへの転送はさほど頻繁に行うわけでない。その時だけ、これを使うことでとりあえず解決となった。この文章も、携帯電話経由で転送した。

これが、今回の経験の概要である。経験をサイトに書いて公開するとひょんな時にお役に立つかも知れない。それがネットの世界の特徴の一つでもある。

注:
2008年5月現在、FTP通信が使えるようになっている。じつは、これ、いつのまにかそうなっていて、私は、たまたま見つけた。あまり儲けにならないことなのかも知れないが、もっと、積極的に知らせて貰いたいものだ。

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