屋久島のティッシュボックス

                                         H.Rの手記の目次へ

とても重宝しているものがある。サラ金の駅頭配布などで頂いてきたポケットティッシュが、最初の1,2枚だけ使ってその日使い終わると、残りを洗面所のこの箱に入れておく。すると、私の持病の花粉症発症時や夕方帰宅時に鼻をかんだり、朝の身だしなみ後に櫛を掃除したり、いろいろな時に実に使いやすい。なぜ使いやすいのか?

この箱は、木で出来ているが、1合の升を少し長方形にした形、つまり内側にポケットティッシュがちょうど収まるサイズ。深さは、ポケットティッシュが5,6個が重ねてはいる程度。そして、入れたティッシュの上に落としぶたを乗せる。真ん中に大きくラグビーボールを投影した形の窓が開いているので、そこから、ティッシュの端をつまんで取り出すようになっている。このつまむのが、ちょっとむずかしいが、慣れると苦もなくできるようになる。この落としぶたが使いやすさの勘所なのである。もちろんスギで作っているので、うっすらとスギの香がする。

屋久島をはじめて訪問したときに、これをおみやげ屋さんの片隅で見つけた。その時に買ったものは、文字どおりお土産として知人にあげてしまったのだが、あとから自分でも使ってみたい気持が無性に残ってしまった。たまたま、その2,3年後に再訪する機会があって、同じ店に寄ったところ、まだ売っている。すかさず買ってきて、それ以来、重宝している。使い慣れると、ポケットティッシュを有効に使えてまことに具合がよい。この小文をお読みいただいた方も、まだお持ちでなかったら屋久島のスギで出来たこの小箱を、屋久島訪問の記念に求められんことをおすすめする。ところで、まだ、売っているだろうか?



H.Rの手記の目次へ